4月22日(水)に佐賀県、及び佐賀県議会に対し、地域の様々な課題解決を担うCSOの事業自粛や活動停止等による現場の混乱、さらに、その存在を拠り所にしている地域社会の困難を抱える方が増えないためにも、早急な対応をいただきたく要望書を提出して参りました。

2020年2月中旬ごろから続く、新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛要請に伴い、CSOの被害状況の緊急アンケートを実施した結果、約200件もの回答があり、CSOの事業継続に影響が生じていることがわかりました。

※新型コロナウイルス感染症対策に係るCSO支援のための緊急アンケート 速報レポート(R2年4月16日現在)

その結果、今後、CSOによる多様な支援によって生活が支えられている方々にとって、今後の生活においてより困難に直面する可能性が高まる恐れがあります。

私たちは引き続き、県内のCSOの声を集め、県・市に声を届ける取り組みを進めて参ります。

佐賀県要望書

(新型コロナウイルス)

佐賀県議会要望書

(新型コロナウイルス)

[要望書全文]

令和2年4月22日

佐賀県知事  山口 祥義 様

公益財団法人佐賀未来創造基金
代表理事  山田健一郎

新型コロナウイルス感染症の影響によるCSO及び多様な市民活動の存続危機に対する支援に関する要望書

 上記につきまして、地域の様々な課題解決を担うCSOの事業停止等により、さらに困難を抱える方が増えないためにも、早急な対応をいただきたく、以下のとおり、要望いたします。

1.要望の趣旨

2020年2月中旬頃から続く新型コロナウイルス拡大防止のための自粛要請に伴い、CSO(市民社会組織)にも事業継続に係る影響が出ており、またその深刻性が日々増しています。地域にはCSOによる多様な支援により生活を支えられている方が多くおられます。今回の自粛及び休業要請に伴う事業の停止や利用者の減少により組織の維持や職員の雇用が困難となれば、そのCSOの支援を受けている人も支えを失い、困難を抱える人が急増する可能性があります。そうした事態を引き起こさないためにも、CSOへの助成等の支援による救済措置を求めます。

2.要望の理由

前述のとおり、CSOが事業の停止や廃止、組織の解散を選択しなくてはならない事態が多発した場合、それに伴う経済的な被害や失業者の問題に加え、今後、経済困窮の加速から複合的な困難を抱える人が増えていくことが予想される中で、それを支える担い手であるCSOが不足し、状況が悪化する事態が懸念されます。地域によっては障がい者の支援組織や施設が一つしかない場所もあり、それを支えているのは単体のCSOである場合があります。その組織を失うと代替措置を行うことは困難で時間がかかります。

また、子ども、女性、外国人、高齢者、障がい者、ひとり親、非正規労働者、生活困窮者、就労困難者

などをはじめ、社会的に弱い立場におかれている人々の生活困窮などがこれから益々深まっていくとともに、地域福祉、文化、スポーツ、教育、まちづくり、離島や山間地の支援など多様な分野において活発な市民による取り組みが減少または後退し、連鎖して様々な社会の綻びが生まれていき山口県政が掲げる「自発の地域づくり」に大きく影響する可能性があります。

現状も、そして今後も社会的に弱い立場におかれている人々の生活困窮がこれからますます深まっていくと思われます。このような人々を支える施策を、佐賀県として強力に推進してください。

また、このような分野では「志」と呼ばれるCSOが今後も重要な役割を果たしています。

その活動を、佐賀県として、ぜひ力強く支えてください。

「もやい」や「助け合い」を重視する CSOの活動は、活動自粛や集まることを制限する感染防止の状況下で、リスクを抱えながら活動を行い、また心理的な困難も抱えながら活動しています。

実質的な補助事業等も含め、佐賀県として上記の市民の活動を応援するという社会的なメッセージを大きく発信していただきたいと思っております。

佐賀県民、皆で耐え忍び、支え合い「自発の地域づくり」の更なる発展のために何卒よろしくお願い致します。

3.要望の詳細

上記の状況に対して以下の支援策等の実施を要望します。

  • 実績に応じた支払を行う事業(障がい者の地域活動支援センター等)について、自粛要請などで閉所や利用者減少を余儀なくされ、実績が上がらず収入減となるCSOへの前年度基準等での補助金支払い。
  • 自粛要請などによる影響で委託業務などが減少する、もしくは無くなった障がい者の小規模の就労支援事業や居場所事業等の類似の取り組みを行う事業所に対する補助金などによる資金支援。
  • 行政機関より委託や指定管理等を受けて施設管理やイベント・セミナー開催を行う事業について、自粛要請などで開催中止等を余儀なくされ、委託金の減額や収入源、特に職員人件費の減額となるようなCSOに対して雇用維持のために前年度基準や過去実績の平均額等での補助金支払い。
  • 学童保育や医療、福祉、災害支援等の分野において自粛要請のなかでも地域を支えるために必要な活動を実施するCSOへのマスクや消毒液等の衛生面を含めた環境整備等の支援をはじめ、ICTを活用した研修・会議等のオンライン開催や電話相談対応などでの業務補完するための柔軟な対応やリモートワーク等に要する機材購入や通信費等の増額等の環境整備、ノウハウ提供及び人材育成等に関わる支援。
  • その他、行政の事業者に行う持続化補助金や雇用調整金、休業要請に対する支援金等のCSOへの適用や支援制度などの情報発信等をはじめ、佐賀県独自のふるさと納税やCSO誘致等での支援策、及び各市町単位でのCSOの事業継続のための包括的な支援事業の実施。

4.その他

本要望書は、中間支援組織等の支援機関の協力のもとに県内CSOを対象に実施した「新型コロナウイルス感染症対策に係るCSO支援のための緊急アンケート【佐賀県】」における約200件のアンケート回答や分析結果をはじめ、各地域・各分野の中間支援組織との情報交換や支援機関に届いている現場からの困りごとやニーズ、そして、「新型コロナ対策に関する緊急助成事業」の助成した団体への現場ヒアリングなどを通じた佐賀県内CSOの現場と支援者の「声」を基に作成をしております。

<賛同団体> ※順不動

・特定非営利活動法人佐賀県CSO推進機構
・特定非営利活動法人さが市民活動サポートセンター
・特定非営利活動法人とす市民活動ネットワーク
・特定非営利活動法人Link
・特定非営利活動法人Network Stationまつろ
・特定非営利活動法人ようこそ小城
・特定非営利活動法人さが西部市民活動サポートセンター・フロンティア
・一般社団法人おもやい
・基山フューチャーセンターラボ
・CSOかんざき
・TENつなぎ
・佐賀災害支援プラットフォーム

*当財団が県内のNPOを対象に実施をした新型コロナウイルス感染症対策に係るCSO支援のための緊急アンケート」ご協力のお願い」の調査レポートはこちらからご確認いただけます。

その他、CSO等を対象とした各種支援制度等の情報をまとめています。ぜひ、該当するものがないかご確認ください。