【採択助成事業】

佐賀災害基金
(2019年度:22)
(2021年度:第2期-06,14,15、第3期-01)
(2023年度:04)

つなぎレンガ座は2011年の東日本大震災をきっかけに発足した団体で、音楽を通じて市民同士の繋がりをつくる活動や、災害時には各機関をつなぐコーディネーターとして活動を行われています。

今回は、代表の中島正人さんと理事の宮近由紀子さん、西岡明樂さん、泉万里江さんにお話を伺いました。

◇2023年九州北部豪雨災害◇

毎年のように起こる豪雨災害。2023年7月に発生した記録的大雨による被害は唐津市、佐賀市、久留米市など広範囲に及びました。広範囲に及んだ災害だったので、NGOがなかなか佐賀に来られない中、つなぎレンガ座さんは佐賀市富士町に入り、浸水した床上床下の洗浄、土砂撤去等の技術系団体と自治体・社会福祉協議会(社協)・現地の“コーディネート”及び被災地住民支援を行いました。

“コーディネート”とは、災害時に社協・行政・佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)と連携をとり、災害時の情報を素早く正確に伝えつつ現場のニーズを満たし統括していく、まさに「つなぎ」の役割です。

具体的には、現場での作業の見通しを建て、それに必要な資材を考え調達したり、専門のNGOの方に連絡して作業日の調整をしたり、社協と調整してニーズに合った作業ができるボランティアリーダーを要請するなどして現場の情報を必要な場所に繋いでいきます。

また、ボランティアの方が現場に入る前には2次被害を防ぐ準備も行います。2023年の富士町での被災地支援では、床下や家の周りの土砂を取り除く作業を行いました。そのため現場で必要な資材、床下を照らすライト、おうちの綺麗な部分を汚さないようにするための養生シート、泥まみれになりながら作業をしてくださるボランティアの方のためのヤッケなど、資材の手配を行いました。

こうした目には見えにくい連携こそが被災地の復興を加速させているのです。

◇被災地に寄り添う◇

被災していても、誰もが助けを求められるわけではありません。

「自分のところは大丈夫」「隣の家の方が大変だから」と、謙虚になり声をあげられない方や、住居はプライベートな空間なため、見ず知らずのボランティアの方に家の中に入って作業してもらうことに抵抗がある方もおられます。

そこへ毎日足を運び、少しずつ声をかけ距離を縮めていくことで、初めて被災の実態を知り支援のお願いをしてもらえるようになることもあるそうです。

また、ボランティアの方のために被災した方自らが「自分の今できること」を考え差し入れなどを持ってきてくださることも。被災したときでさえ周りに思いやりをもち行動をできるその器の広さに、支援をする側も勇気づけられますね。

◇少しずつ色が違うレンガのように、ヒトモノコトを繋げていく◇

つなぎレンガ座さんの名前の由来には素敵な背景がありました。

これからは若い世代にも活動の輪を広げ、また災害を自分ごととして捉えていただけるよう伝えていきたいと言います。

災害が命にかかわることであるということは、だれしも理解しています。しかし、日常の中でそれを意識できる人はどれくらいいるでしょうか。

災害が起こったとき、自分のことそして大切な人を守れる意識を多くの方に届けていきたい、つなぎレンガ座さんはこれからも「つなぎ」として活動を続けていきます。

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令和5年7月佐賀豪雨災害対策支援基金

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