【採択助成事業】

e-さが基金(第5回)

さが山の学校は県内の中山間地域での自然体験を通して、子どもたちに環境問題や食育、地域づくりを学ぶ場づくりをしている市民団体です。

活動そのものが目指していることはなにか、代表の大坪さんご夫婦に話を伺いました。

◇耕作放棄地が25年前の2倍に

「耕作放棄地」をどこかで耳にしたことがあるかもしれません。

過去1年以上作物を栽培せず、この数年の間に再開する予定のない土地のことをいいます。

中山間地域を中心に農地の担い手が不足していることが要因で、このような土地が増え続けています。

結果的に雑草が生い茂り、農道や水路を塞いでしまうことによって、災害を引き起こすことにも繋がり兼ねません。

一方で、子どもが自然に触れたり学んだりする機会が減っていることも課題に感じていたという代表の大坪さん。

特に自然が豊かな中山間地域を子どもたちが活用することが、耕作放棄地の課題を防ぐことにもなるのではないかと着目をしました。

「土地の担い手は集落そのものの維持が難しくなっていることも背景にあるんです。たとえ、移住をしてきても馴染めずに定着ができないことが多くて。

子どもの力を借りて、交流人口を増やすことを目指します。」と意気込みを伝えてくれました。

◇江北町の耕作放棄地が「交流農園」へ

県内での活動を進めるにあたって、学びに参加する人たちが集える拠点がほしい。

そう思っていた時に、江北町の耕作放棄地を団体として借りられることになりました。

最初は、地域集落の人たちにどう理解をしてもらえば良いのか不安があったとか。

そこで、取り組みを知ってもらおうと開園と同時にイベントを実施。

当日は、子どもたちが描いたTシャツ100枚を展示する「景観アート物語」や、野菜の収穫体験、マルシェ、ヨガ体験を企画し、とても賑わったそうです。

「自分たちの活動で終わるのではなく、地域の人たちと一緒に盛り上げたいと思っていました。」と当時のことを思い出しながら話す大坪さん。

次第に、興味を持ってくれたり応援してくれたりする人が増えていくのを肌で感じていったといいます。

◇支え合う地域づくりを応援していく存在になりたい

大坪さんはこれからの団体の取り組みをどのように描いているのでしょうか。

その1つに農村型地域運営組織(農村RMO)があります。

複数の集落の機能を補完して、農用地保全活動や農業を核とした経済活動と併せて、生活支援等地域コミュニティの維持に資する取組を行う組織のことです。(農水省HP抜粋)

これから、高齢化や人口現象がますます進んでいくのは明らか。

しかし、そのままにしておくのではなく、地域をどのように守っていくのかを考えていくことが大事だといいます。

「高齢化が進んでいても、支える土壌がしっかり整っている先進的な自治体の事例もあります。私たちが、地域と伴走して組織づくりを推し進めていくことができればと考えています。」と大坪さんは真剣に説明してくれます。

県内の山間部で、積極的に活動をしている団体や人同士が連携をすることで、好事例を横に展開することを構想しています。

そのために、多くの人が課題そのものについて議論できるようなきっかけづくりを増やしていきたいそう。

地域で働くことができる仲間を広げていきたいといいます。

「さが山の学校」の取り組みを一度のぞいてみてください。そして、大坪さんたちの思いを是非一緒に応援してほしいと思います。

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