日本の子どもの7人に1人は相対的貧困状態にあるといわれています。
私たちはこれまで佐賀県を始めとした行政、企業、地域、NPO等と連携して、多重な困難を抱える子どもたちを支援する取組みを続けてきました。
助成事業「さが・こども未来応援基金」や、子どもの居場所へプレゼント事業「こどモノ」等により、地域における子どもの社会的貧困の解決の糸口を見出す一方、真の解決といえる「誰一人取り残さない社会」の実現にはまだ遠いことを実感しています。
今後も、あらゆる子どもたちのための居場所を対象とした助成事業を強化することにより「誰一人取り残さない社会」が実現した未来を少しでも近くに引き寄せること、そして、他の地域でも活用できる「子どもの居場所ネットワーク」モデルの構築に挑戦します。
関係性の貧困を解決する「心の居場所」
私たちは、多重な困難を抱える子どもたちの「関係性の貧困」を解決するべく、5年間にわたり、子どもの社会的孤立を防ぐための「子どもの居場所」に対する支援――助成事業「さが・こども未来応援基金」(以下、さがっこ基金という)、子どもの居場所へプレゼント事業「こどモノ」、「子どもの居場所」の運営者をサポートする研修事業の実施、「子どもの居場所」と子どもの支援に興味のある地域の人々をつなぐ地域円卓会議や「子どもの居場所」同士をつなぐフォーラムの開催などを行ってきました。
プロジェクトがスタートしたばかりの時は佐賀県内に10ヶ所ほどしかなかった「子どもの居場所」も60ヶ所を超えました。
しかし、県内のすべての子どもが歩いていける範囲に「子どもの居場所」があるという理想にはまだほど遠いのが現実です。
様々な人がいて、いろんな人生があり、いろんな夢があることを、子どもたちが身近に感じられるように、親以外の大人と交わる機会、お兄さん・お姉さんとのナナメの関係のなかで勉強や生活の時間を過ごしていくことで関わりを深めて、自分の存在が認められる居場所を、身近な心の拠り所として持つことが必要です。
すべての子どもが「自分は一人ではない」と実感できる社会の早期実現を、私たちは目指します。