佐賀災害-2021(お弁当の配食-2回採択)

チームおせっかい配食は、佐賀県の武雄を中心として大きな水害の影響を受けた令和3年に、地域の人たちが配食を実施するために立ち上げた非営利団体です。(現在は活動を中止)

当時、団体を立ち上げ、毎日280食を15日間配食するプロジェクトを推し進めていた代表の永田裕美子さん(以下、永田さん)に当時の様子についてお話を伺いました。

◇困っている声を見過ごせなかった

令和3年、豪雨によって大きな水害の影響を受けた佐賀県武雄市。

当時の状況はメディアを通して多くの人に伝わっていきました。

しかし、報道が落ち着いた9月中旬、永田さんがボランティアセンターに行くと影響はまだ続いており、食事を作ることができない家庭が沢山あることを知りました。

水で浸った家屋の片付けが終わっておらず、カップラーメンを食べて登校しているこどもも中にはいたといいます。

当時は、まだコロナの感染拡大も危ぶまれていた時期。自衛隊やライオンズクラブによる炊き出しも行われない。

そんな様子を目の当たりにした永田さんは、見過ごすことができなかったと話します。「食べることは、生きることの根源だと思っています。近くに困っている人がいると知った以上、何かしなくてはと思いました。」

とはいえ個人情報は全く分かりませんでした。

そこで最初にボランティアを募って炎天下の中1軒1軒まわり、世帯の情報や困り具合などを把握するところからスタート。

一方でSNSで呼びかけを行ったところ、市内や近隣の市町の飲食店からも協力の声が上がり、配食のための弁当づくりを担ってくれる先と、全国からの温かい寄付金を確保することができました。

ボランティアセンターや地域の班長さんが各家庭に届けてくれたり、飲食店の皆さんが被災者の気持ちに寄り添って飽きないメニューの工夫をしてくれたりしたそう。

「栄養バランスが偏っていたけど、改善しました。励みになりました。など嬉しい声を沢山聞くことができました。」と永田さんは当時の様子を振り返って話します。

◇行政との連携ができれば、より早く動ける

各家庭に配食をすることを通じて、接点が増え、食以外のお困りごとも聞き取ることができたといいます。

例えば、終日仕事や家の片付けに追われている家庭ではこどもが安心した場所で過ごすことができません。

「学校がない時間に預かってくれるボランティアが必要なんじゃないかとか、お風呂に入れていないこどもがいる、掃除に明け暮れて支援情報が届いていないなど、暮らしの中の困りを聞くことができました。」

しかし、活動を振り返ると「もっとこうできたら良かったのに」と思う点も。

それが行政との連携です。先程のニーズなど、行政がキャッチできていない部分を伝えていくことができたら、より多くの人の困りを解決できたかもしれません。

また、事前に世帯の情報や被害の情報を知ることができていれば、より早く動き出すことができました。

「平時から、専門家チームや行政と連携を取ることによって、どこで何をしたら良いのかを把握しておけると、初動が速くなるのだと思います。」と課題点について教えていただきました。

◇細くても良いから長く続けていって欲しい

7月に記録的な大雨の被害を受けた唐津市を中心に、未だ復旧のための作業や支援が続いています。

現在は「おせっかい配食」は解散していますが、永田さんは災害支援の必要性を引き続き感じており「水害は暑い時期に起こるので、体力が本当に奪われると思います。

まずは自分の健康を大事にして欲しいです。

栄養をしっかり摂りながら、細くても良いので長く続けて欲しいと思います。」とエールを送ってくれました。

まずは自分が耳にしたり感じたことから、自分なりのおせっかいが誰かのためにできると、より良い地域が思いやりによって広がっていくと感じます。

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令和5年7月佐賀豪雨災害対策支援基金

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