令和4年度に続き、本年度も、進学を志す子どもを地域で支える社会の実現を目指すふるさとチョイスGCFプロジェクト「学生服バンク」の寄附募集を開始しました。

学生服バンクの概要

令和2年度佐賀県子どもの生活実態調査報告書によると、小学2年生から高校2年生の子どもがいる世帯で、全体の10%、ひとり親家庭の46.3%が世帯年収137.5万円未満の世帯となっています。

そのような世帯においては、「制服が買えない、カバンが買えない」から、と進学を諦めざるを得ない状況が存在することも想定されます。

本事業では、貧困家庭やひとり親家庭の子どもたちへ学生服等のリユースプロジェクト「学生服バンク」を通じて、子どもたちを地域で育てる地域資源循環の仕組みづくりに取り組みます。

前年度の取組

前年度、当財団が実施している「入学応援給付金プロジェクト」で耳にした「制服やカバンが買えない。入学のためにあと5万円足りない・・」といった悲痛な声から、少しでも低所得世帯・ひとり親世帯の子どもたちが進学の夢をかなえることができるよう、この学生服バンクプロジェクトを立ち上げました。

地域で子どもの居場所(こどもの居場所じゃんぷ、他)を3拠点運営する(一社)キラキラヒカルと協働し、学生服・学用品等の寄贈受付・管理と、それを必要とする低所得世帯等の家庭へとお繋ぎするモデル・システムを構築し、2023年1月の始動から6月までの半年間で100件の寄贈を受けることができました。

また、定期的に「〇〇学校の男子学生服、〇〇サイズを探している」等のお問合せをいただくなど、地域ニーズの高さも実感しています。

一方で、要支援者とのマッチング件数は9件。

その背景として、取り組みを実施している佐賀県唐津市には、中高で29もの学校があり、その中でもサイズや季節ごとに種類分けされていることから、必要な子どもたちに必要な制服を届けるには、まだまだ十分な循環基盤が整っているとは言えない状況です。

今年度の取組

今年度は、前年度始動したこの取り組みを本格的に運営するとともに、改善点やマニュアルを整備し、かつ、継続していくための事業構築を進め、より効果的な地域資源循環の仕組みを向上させていきます。

私たちは、この学生服バンクという取り組みを、進学を志す子どもを「地域で支える」仕組みとして成長させたいと考えています。

それにより、現在学業に励む子どもたちの意識の中にも「この制服を大切に使い、思い出とともに、必要とする次の世代のためにリユースする」という暖かい心を持ってもらい、最終的には卒業生の学生服が100%リユースされる地域文化として定着することも目指しています。

地域の卒業生の学生服等が100%リユースされる基盤が整ったとき、支援を受けた子ども達は、地域から支えられている想いを胸に学業に励み、寄贈した子どもたちは、自分が地域に貢献しているという誇りをもって成長していくと考えます。

ぜひこの取り組みに皆様も応援をよろしくお願いいたします。