【採択助成事業】

・高齢者ニセ電話詐欺撲滅「にゃんこパトロール基金」2021(高齢者被害撲滅の為の講習会実施)
・CSO持続支援金

シニアネット佐賀は、県内の高齢者を中心にパソコンやスマホなどのICTスキルの向上を目指して利用支援をしているNPO法人です。

理事長の香月幸雄さん(以下、香月さん)に事業の背景や、具体的な活動の内容を聞きました。

◇高齢者はインターネットの使い方を学ぶ機会がなかった

2000年以降、インターネットの普及が急速に進み、現在では1人1台スマホを持つのが当たり前になっています。

よく考えると、私たちはどのようにインターネットに関する知識を得てきたのでしょうか。

学校では授業の一環として扱われ、企業では研修などを通して、そのスキルを徐々に習得をしてきた人が多いことでしょう。

一方で、いづれにも属すことなく取り残されてしまうのが高齢者層でした。

使い方が分からないことから、情報を得ることができなかったり、犯罪に巻き込まれてしまったりすることが特に多いそう。

「最近だと、マイナンバーの登録をスマホでしなくてはいけないけれど使い方が分からない、といった声が多くありました。」香月さんは深刻に状況を話します。

家族は距離が近すぎて教えづらく、一般のサービスは予約制でハードルが高い。

このような課題から、シニア層を対象にしてインターネットの使い方やリスクについて教える講座を20年以上前から続けてきました。

◇社会の仕組みを知り上手くネットを活用してほしい

時代が急速に進む中で、ネットそのものの使い方とリスクを知らないことにより、高齢者のニセ電話詐欺による被害は年々増加傾向にあります。

件数も日々増えており、毎日のように新聞等に被害が掲載されています。

「社会の仕組みを捉えることができないと、つい言われた通りにやってしまいがちです。

日本人は特に求められたことを、しようとする特性があると思います。」と香月さんは伝えてくださいました。

2021年には「にゃんこパトロール基金」を利用して高齢者ニセ電話詐欺撲滅のテーマで講習会を開催しました。

現在でも年間約20回ほど講座を開催しているのだとか。スマホを購入したばかりの方が「学びにきてよかった」と笑顔を見せて帰ることもあったそう。

このような瞬間が増えていくことが喜びだ、と続けて香月さんは話します。

◇人生100年時代を生きる全ての人が生き生きと暮らせるように

高齢者が増えていくこれからの社会を見据えて、行政も地域コミュニティの中で取り残される人がいないように講座を開催しているところが増えてきたといいます。

人生100年時代と言われる現在において益々、学びの機会の必要性が高まっていることを感じます。

シニアネット佐賀で教えるサポーターは最新のスマホのモデルや機能を常に追いながら、どのような相談が来ても対応ができるようにしているといいます。

1回の講座あたり、丁寧に教えていくことを考えると、人がもっと必要だと香月さんは感じています。

「同世代が教えるからこそ、気持ちに共感できる良さがあるんです。だから学んだ人が学ぶ側になったり、企業などで経験をしてきた人がもっと教えていけると良いと思います。」と今後の課題について教えてくださいました。

また、参加者から受講費用を多く求めにくいことより、人件費と併せてどのように資金を調達していくのかについても考えなくてはいけないといいます。

人生100年時代、誰もが自分に合った暮らしを営むことができるようにするためには、リスクを知った上で情報のインフラにしっかりアクセスできることが必要です。

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