NPO法人ベネッセの会 は​​佐賀県東部地区(鳥栖市・みやき町・基山町・上峰町)において移動困難者の通院・買い物など、高齢者・障がい者に向けた生活支援を展開しています。

平成23年からは無償の移動支援を実施し、コロナウイルスが拡大した際はワクチンの摂取を手助けすることにも繋がりました。その時の社会状況に応じて必要な支援を考え、実践し続けているのは理事長の永友惠子さん(以下、永友さん)。

活動開始のきっかけや、考えている今後の取り組みを聞きました。

◇家族と一緒に住んでいても”移動の不自由”を感じている高齢者

鳥栖で社会福祉協議会のコーディネーターとして高齢の方を中心に関わっていた永友さん。東日本大震災が起こった平成23年、不安の声が広がったことをきっかけに高齢者同士の集まる場を作りはじめました。その際に普段の生活で何に困っているのかを調べたところ85%の対象者が移動手段に困りを感じていることが分かりました。

高齢者の免許返納の動きが高まっている中、軽自動車の世帯あたり普及率が※全国2位の佐賀県。※一般社団法人全国軽自動車協会連合調べ(平成30年12月末現在)

独居老人はもちろんの事、高齢夫婦や家族と一緒に住んでいたとしても相手に頼ることができずに悩みを抱えていました。

「心は元気だけれど、気づけば体が追いついていないのよね」と皆さんの心境を代弁するかのように話す永友さん。

◇元気なお年寄りを元気なままサポートする移動の支援

”元気な高齢者は外に出て楽しく過ごして欲しい、経済を回してほしい。”

そんな思いから翌年にはヘルパーや福祉運送の資格を取得し、地元の地区に住む対象者から移動の支援を始めた永友さん。

最初は病院や買い物時の利用に留まっていた人も徐々に少し遠くの友達と食事に出かける動きもでてきたといいます。

「お隣さんじゃなくても遠くの仲良い人と支え合えるようになったんです。」と嬉しそうに永友さんは話します。

また、活動をしている中で在宅医療をしている人たちの移動の必要性も感じたといいます。

在宅での治療が推進され、普及することは本人にとって生活の質を上げることに繋がりますが、自分でどこの病院に行くか選ぶことができなくなってしまう。

それぞれが自分に合った選択ができる”自由”を作ることも大事なようです。

◇コロナウイルスの拡大によって更に高まった外出へのハードル、生活困窮

コロナウイルスの感染拡大によって外出への恐怖が高まった2020年。

買い物に行けないことによる栄養不足で顔色が悪かったり、暫く人との会話をしないことで元気をなくしている様子を目の当たりにし、災害と同じ状況を感じたといいます。

そんな中、昨年には、ガソリン代赤字の覚悟でワクチン摂取のための無料送迎を開始。

同時に、感染拡大で仕事を減らされ、給与が少なくなり必要な物が買えずに苦しんでいる若い人たちの支援として200世帯に食料配達の支援も行いました。

今年も子どもたちの長期休みに入る8月と12月の2回に渡って、生活困窮で苦しむ約100世帯への配布を考えているとのこと。

「病気を治すことはできないけれど、貧困は手助けがあればいづれ安心して過ごせるようになると思う。」と意気込む永友さん。

「NPOはまちの中で言うと、”お祭りおとこ”みたいなものね。」と笑いながら永友さんは話します。

まちの中で困っている人がいれば、扇動していくことがNPOの強みだと言います。

お互いが助け合える地域を目指して、これからも活動は続いていきます。

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佐賀支え愛基金(新型コロナウイルス感染症対策活動支援基金)

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