小城市で「子どもに関わる全ての大人の居場所づくり」を掲げ活動されている、ま・まんでぃ。

代表の圓城寺さんを訪ねて、主な活動場所である #ゆめぷらっと小城 へ伺いました。

毎月第4月曜日に実施されている「みんなの居場所ま・まんでぃカフェ」は、誰でも自由に参加できる、居場所づくりイベントです。ゆめぷらっと小城の一階にある研修室とキッチンを使って、お茶菓子を用意したフリースペースを提供。

教室・講座の開催や放課後の子どもたちを迎える「放課後タイム」、仕事帰りのパパやママが食事のできる「おかえり井戸端会議」など、訪れた人が思い思いに過ごせるプログラムを企画されています。朝10時から夕方7時まで、一日50人以上が立ち寄るという新しい居場所の参加者は、老若男女を問いません。

「いつの間にか、勝手に教室ができていくんです(笑)」

多世代が集う ま・まんでぃカフェでは、参加者さん同士で素敵な化学反応が起きています。ある高齢の方は、子どもたちへ読み聞かせをするためにギターの練習を始めたそう。自分の居場所を求めて集まった人たちが、自分以外の誰かの居場所づくりをしようとチャレンジする、それはとてもドラマチックな光景ではないでしょうか。押し付けられた関係性ではこんな風にはいきません。ゆめぷらっと小城でギターの音色がポロロン♪と聴こえたら、ぜひ覗いてみてください。

2016年、同じ幼稚園に子どもが通うママ同士による、手づくりの教室や講座を相互に開催するサークルが、ま・まんでぃの始まりでした。悩みを打ち明けたり、子育てについて話したりするうち、圓城寺さんたちは自らの居場所づくりへ歩みを進めていきます。

「最初は誰かのためにじゃなくて、自分たちのためでした。愛しい子どもたちは必ず大きくなって親を離れていく。そうなったら寂しいから、私たち親同士は一緒にいようねって・・・」そう話す圓城寺さんのお子さんは、いま高校生と小学生。親の目を避けがちな年頃でも、地域と繋がっていると目撃情報に困らないのだとか。

いつか訪れる日への備えとしてのスタートした居場所づくり。今回のお話の中で何度も出てきた「ひとりぼっちにならないこと」は、圓城寺さんたちの活動におけるキーワードのひとつになっています。

新型コロナウイルス感染症の影響で単身赴任中のご主人が帰ってこられず、子どもたちの暮らしを一人で守り続けたママがいました。「ストレスでごはんも食べられなくなっちゃってて・・・」心も身体もぎりぎりの状態で圓城寺さんのもとへやってきて、ひとしきり窮状を打ち明けるとようやく落ち着いてくれたそうです。

話を聞いてもらうこと、自分は今こんな状態なんだよって知ってもらうこと、誰かを頼ること。すべて簡単なことではありません。人は困っていればいるほど話す相手を選んでしまうものです。ひとりぼっちにならないことは、とても難しい。だからこそ、圓城寺さんの書いたサンクスメッセージ「あの人もこの人も笑顔になりました」が嬉しい取材スタッフでした。

新しい生活様式が叫ばれるなか「場所」に足を運べないケースが多くあります。ま・まんでぃでは、オンラインも活用していくために #佐賀未来創造基金 の助成金を使ってパソコンを導入しました。さて、これからどんなことが待っているのでしょうか。

「『この人がいるからこれをしよう!』という感じです。私たちは場所をつくって提供するだけ。そこへみんなが『やりたい!』を持ち寄ったあとで何が起こるのか、私もわかりません(笑)」

ま・まんでぃで起こることは、圓城寺さんにもわからない。だったら、まずは遊びに行ってみましょう。ひとりぼっちにならない居場所が見つかりますように。