【本プロジェクトの経過概要】
◆2013年12月~:募金活動を開始。目標額を上回る5,699,587円(※)のご寄付を戴きました。「佐賀未来創造基金第2期事業指定寄付・助成」と「事業型寄付・助成」の規定により、寄付5,699,587円にマッチングを上乗せし、総額6,959,670円を助成しました。
◆2014年4月1日:この活動の意思を継続すべく、ご支援者により『1qトリソミー基金』が設立されました。
◆2013年12月5日~2015年3月31日:1qトリソミー症候群の調査・研究プロジェクトを実施。
◆2015年3月末:本プロジェクトが終了。ほかの希少難病の患者・家族を応援するために活かしたい」という患者家族幸さん及び佐賀県難病支援ネットワーク様のご意志を汲み、本プロジェクト残額の返還にて総額300万円で『希少難病基金』を創設しました。
(※)寄付額:5,699,587円の内訳
・事業指定寄付:4,970,851円
・事業型(古本・書き損じハガキ):728,736円

みなさまのおかげで『超希少難病「1番染色体長腕部分トリソミー症候群」の幸奏汰くんを助けたい!』プロジェクトは、寄付目標を達成して今年度から活動をスタートしました。
ただ、ご存知のように現実的には今回のご寄付やご支援で希少難病がすぐに治ったり、この一年で大きく何かが変わることは難しいのが現状だと思います。
そこで、今後の「研究開始」と「患者家族との出会い」という継続的なチャレンジを『1qトリソミー基金~一番染色体長腕部分トリソミー症候群の子ども達と家族を支えたい~』として幸篤志さんの故郷である大分県の「佐伯市有志一同」のみなさまの想いが集まり財団史上初めての新たな「市民が創る市民のための冠基金」が立ち上がりました!
みなさま、引き続き、応援をなにとぞよろしくお願いいたします。
「1番染色体長腕部分トリソミー症候群」という病気をご存知でしょうか。
国内での報告例はほとんどなく、世界でも30例程度と推測される全くと言っていいほど知られていない難病です。ほとんどの場合、出生時に死亡するといわれています。
この超希少難病を患う患者が佐賀県にいます。佐賀市の幸奏汰くん(4歳)です。奏汰くんは生死をさまようような闘病、手術に耐えて、一生懸命成長する姿を見せてくれています。
この病気の研究をしている国内の医師は、みさかえの園総合発達医療福祉センターむつみの家(長崎県諫早市)の近藤達郎先生など数名だけなのです。
奏汰くんを救うためには、近藤達郎先生をはじめとした専門医による研究グループが立ちあがり治療法の確立を急いでもらうことが必要です。
奏汰くんが懸命に生きている間に「1番染色体長腕部分トリソミー症候群」の治療法開発と言う奇跡を起こすお手伝いをしていただけないでしょうか。

わたしたちの「まち」にあるお困りごと

最初、医師からは、息子と全く同じ異常は日本のみならず世界的にも恐らく報告がないと診断されました。染色体異常の根本的な治療法は無く、合併症の対処療法しかありません。その合併症は複数に渡り、生まれた時は、心臓、呼吸器、消化器に疾患をかかえ、医師からは「最悪の事態も覚悟するように」と言われるほどでした。
また、子どもの手術は成功しても、私たち家族にできることは・・・先が見えないのは怖いです。不安でいっぱいです。でも、幼稚園にも通わせたいし、友だちと触れ合う機会を与えてあげたいです。そして、ほかの患者や家族のみなさんと一緒にお話がしてみたいです。
そして、何よりも先にこの病気の研究に取り組んでほしいです。
この病気の患者と家族が“希望”を持って生きていけるお手伝いをしていただければ幸いです。
幸篤志、直子
この病気を治す薬はありません。症例も極めて少なく、生命予後もわかりません。しかし、幸奏汰くんは“命に縁のある子”です。今回のこの寄付プロジェクトで日本小児遺伝学会の小崎健次郎理事長(慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター教授)等数少ない専門医の先生方が「お役にたちたい」と“共感”いただきました。協働で研究に着手できる機会が訪れました。
この病気の子どもたちの日々を支える社会を創り上げるためにご協力をお願いします。私はこの取り組みに“どっぷり”と挑戦を続けます。
近藤先生.jpgみさかえの園むつみの家 総合発達医療福祉センター診療部長
長崎大学医学部 臨床教授
染色体障害児・者を支える会(バンビの会)会長
近藤達郎

わたしたちの「まち」に必要なコト

こんなに希少な病を治すことは簡単ではないことはわかっています。だから、生きることに希望を持ち、この病と向き合い、一生を通してつきあっていくことがまずは重要だと考えています。
そのためには、みさかえの園総合発達医療福祉センターの近藤達郎先生をはじめとして、この病気の研究グループが立ち上がり、調査が進めば、同じように悩み苦しんでいる患者と家族の情報、辛さ、悩みを共有でき、孤独で先が見えない不安だらけの今の状況に対して、少なくとも心の面だけは安心を得られます。
そして、この国内の研究グループの研究成果が世界的な協働研究につながり、製薬企業には利益につながらなくても薬を開発していただける社会が実現されることを目指します。

みなさんと一緒に取り組みたい活動

<医学的アプローチ>
日本小児遺伝学会会員を対象に、日本国内にどれだけの患者が診療されているのかその実態を調査します。【7万円】
その結果をもとに、実際に診療されている医療機関(10施設程度)へ「1番染色体長腕部分トリソミー症候群」研究グループへの参加や詳細な調査に協力いただきます。【100万円】
この取り組みに賛同された医療機関で全染色体の異常について検査に着手し、染色体と症状との関連性を検討します。【130万円】
<患者・家族へのアプローチ>
医学的アプローチと並行して、日本で初めて、この病気の患者、家族、医療者、製薬企業、行政等が集う交流会を開催します。【30万円】
この交流会を契機に、日本国内で会ったこともなく、情報もなく困っている「1番染色体長腕部分トリソミー症候群」の家族会を立ち上げ、まずはホームページを作成します。【25万円】
以上の取り組みを報告書としてまとめ、日本小児遺伝学会や患者・家族等をはじめとして、社会に対して発信します。【8万円】

わたしたちが目指しているコト

難病は、1000種類を超え、原因不明で治らない病気が大半です。私たちは、その病気にならない限りその病気の大変さを知ることはほとんどありません。しかし、いつ何時発症するかわからないのです。言い換えれば誰もが発症する可能性があるのです。
希少な病は国の支援や製薬企業の創薬はほとんどありえません。だから、私たち当事者が立ち上がり、治療法の発見に向けた最初のドアを開けます。
発症しても希望をもって生きていける社会の実現に向けて、私たちの“寄付”と言う共助への“参加”により、「希望」を持てる社会創造のモデルになります。

この事業のサポーター(寄付・ボランティア)

今回の取り組みが成功すれば、他の希少でたいへんな難病患者への取り組みにも拡大して行きます。希少疾患支援の基金をつくりたいです。

<奏汰くん寄付者マップ(3月10日時点)>

そうたくん寄付者マップ

<奏汰くん寄付額マップ(3月10日時点)>