特定非営利活動法人 空家・空地活用サポートsaga(愛称:そらそら)は、まちなかの老朽化した空家・空地において発生する諸問題の解決に資する事業を行うとともに、事情により住処を失った住宅確保要配慮者(高齢者・低所得者・子育て者・外国人など)の方々と、所有者がお困りの空き家をマッチングする居住支援業務を行っています。
また、行政・CSO・企業・地域コミュニティとの連携はもとより、士業・各種専門家と空き家対策ネットワークを構築し、様々な問題に対応出来る体制を整えている団体です。
今回は、塚原代表理事と内川副代表理事に、お話しをお伺いしました。

~助成活動の取り組み〜

創業150年もの間、地域で愛されてきた中溝豆腐店(佐賀市唐人)の店舗兼社員寮だった建物(空き家)を「まちなかオフィスTOJIN館」としてリノベーションしました。空き家・空地活用サポートSAGAのオフィスもこの2階にあります。
はじめに、助成金を活用してみんなの居場所づくりをされた経緯をお伺いしました。
「まちなかオフィスTOJIN館が誕生する前、この近くにあったオフィスとコミュニティスペースが併設された建物が閉鎖される事が決まり、集まれる場所がなくなり困った、というたくさんの団体や地域の方々の声がありました。そこで助成金を活用して、まちなかオフィスTOJIN館をリノベーションしました」と塚原代表理事。
活動の拠点がなくなり、困っている利用者様の声を拾い、新たな活動拠点の整備として、リノベーションをなさったそうです。まちなかオフィスTOJIN館は、どのように生まれ変わったのでしょうか。
「例えば、トイレですが、気になさる方も多い場所ですから、なるべく気持ちよく使って頂けるように、綺麗にリノベーションされています。シェアオフィスにはそれぞれ独立したセキュリティシステムが導入されて安心安全な空間となっているなど、快適な空間、安心安全な空間として生まれ変わっています。その一方で、廊下の板張りや和室の雪見障子などはそのまま残されていて、元からある建物の雰囲気を活かした造りになっています」と内川副代表理事が実物を見ながらご説明くださいました。
リノベーションにより、ここを利用される方々が快適に過ごせるよう、配慮が随所に施してあります。実際に建物の中を見せて頂いて感じたのは、建物を大切にしていること。
オーナーや中溝豆腐店と社員さん方が築いてこられた歴史への敬意が感じられました。
「最初、2階集会室の和室もフローリングに、という案がありましたが、子どもたちが寝っ転がってくつろげるようにしたいという思いから畳を残しました」と、塚原代表理事の、ここに来る子ども達への気遣いが素敵だと思いました。
「リノベーションの時には、ワークショップを開催して皆様と一緒に作業して作り上げ、オープン時にはお披露目会を開きました。地域の空き家を地域のために、地域を巻き込んでの新しい取り組みでした」と、内川副代表理事がにこやかにお話しくださいました。
「ここは単なるテナントビルではなく、地域に開かれたコミュニティスペースとすることで、新たな人の往来・出会いの場として、地域の皆様に愛されるようなシェアオフィスを目指しています」と、塚原代表理事は地域とともに地域のために何ができるのかを、ひたむきに考えられていました。

〜見えてきた新たな課題と支援の必要性 支援のお願い〜

「空き家・空地活用サポートSAGAでは、住まいに関する様々な支援を行なっていますが、今後、みんなが安心して住めるシェアハウスを作りたいです。」と塚原代表理事と内川副代表理事が口を揃えて言われました。
「色んな理由で住む場所に困る方がいらっしゃいます。今はコロナ感染症の影響もあり、誰がいつ困ってもおかしくない状況があると思います。
そのセーフティーネットのひとつとして、シェアハウスを作りたいです。このシェアハウスは、どこかの誰かのためだけではなくて、身近な大切な人や貴方自身の安心につながる場所として考えてもらえたら嬉しいです。
そのためには、改装や運営の資金が必要になります。もちろん私たちも資金調達は行って行きますが、皆様からご寄付という形で応援して頂けると、その分整備が早くできます。1日も早くみんなが安心して住めるシェアハウスを作りたいです。そのためにご支援頂けたら有り難いです。」と、お二人から熱い思いを語って頂きました。

~塚原代表理事より~

「空き家・空地に関する問題、お困りごと、心配事は何でもご相談を受け付けます。私たちが一緒に解決の糸口を探りますので、まずはご連絡くだされば幸いです」