【採択助成事業】
荏原環境プラント「e-さが基金」第1回、第3回

NPO九州さがプロジェクトは、さが城下町の水辺環境の保全・整備の啓発活動をしています。

舟を活用した佐賀城跡のお堀めぐりをして、地域の子どもや市民に自然の大切さを伝えています。

代表であり、世話人の原田彰さん(以下、原田さん)に想いを聞きました。

◇自然を本当に守れているのかを問いたかった

佐賀城跡付近は、城下町を思わせるような情緒が残る場所となっており、1年を通じて様々な行事が催されています。

お濠の周囲を見渡すと、見事な自然の移ろいがあり、四季を感じることができます。

特に、夏頃になると睡蓮の花が一面に咲き、その美しさには息を呑むものがありますね。

実は、その背景に整備をしてくださっている方がいるのをご存知でしょうか。

代表の原田さんは、毎日のように掃除をして問題がないかを確認しているといいます。

「現役で働いていた頃、日本では公害問題が大きな課題でした。当時は水害を防ぐためにダムの建設に従事していましたが、自然を本当に守れているのかな、と疑問に思って。私たち人間が環境をどのように守っていけば良いのかを考える必要があると感じたんです。」と今の活動に至った思いを話してくださいました。

◇こどもたちに自然の大切さを知ってほしい

NPO九州さがプロジェクトでは主にこどもたちに自然の中で暮らすことの楽しさや大切さを学んでほしい、ということを伝えるための活動をしています。

「僕たちが小さい頃は、この辺りに自由に入って遊んでました。

今のこどもたちも規制をするのではなく身をもって体感してほしいですね。」と伝える原田さん。

「『e-さが基金』の助成で舟の改修に取り組みました。安全な舟を準備することができたおかげで、こどもを乗せてお濠を周りながら自然を伝える他にも、近くの小学生が自分たちの旗を作って舟に立て、それぞれで競い合う催しなどにも協力ができるようになりました。

学校ではルールを守らなくてはいけないかもしれないが、まずは肌で楽しさを感じてもらいたいです。」

◇多様な生き物と人が共に生きる地域づくりを目指して

原田さんは自然を自分ごととして捉え、実践をし続けている挑戦者と言えるでしょう。

まるで種を蒔くかのように、まずは自分たちにできることを。

蓮が綺麗な花を咲かせるため、カメの捕獲や廃棄物の処理などを日々点検しているそう。

行動を重ねながら探求し続けています。

そんな、原田さんが思い描いているのは「多様な生き物と人が共に生きる地域」だとか。

それは、私たちが自然の仕組みを知ることによって自然とのつながりを取り戻し、人間が地球に適応していくことをさすのだそう。地域でこういった考えを持つ人が増え、行動できるようにすることによって、どんなことがあっても持続可能な地域にしていけるのではないかと原田さんは考えています。

「目的を持って進んでいれば、きっと道は開けると思っています。これからも応援をお願いします。」そう伝える原田さんの眼差しはとっても力強いものでした。既に動きを進めてくれている皆さんの取り組みを知ることで「やってくれている」だけではなく「私には何ができるか」ということを考えていきたいですね。

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