【採択助成事業】
高齢者ニセ電話詐欺撲滅「にゃんこパトロール基金」2021(だまされんばいカレンダー事業)
佐賀災害基金-コロナ枠-2020年度
CSO持続支援金
消費生活相談員の会さがは、消費者を支援するための活動を行っているNPO法人です。
佐賀県の消費生活センターや県内市町の消費生活センター、消費生活相談窓口で、消費者からの相談に応じています。
また、他にも消費者啓発活動や公開講座など幅広く活動をしています。
今回は、その活動について具体的なお話を、事務局の三上由起さん(以下、三上さん)と何川由美子(以下、何川さん)さんに伺いました。
◇佐賀全県が一体となって消費者の相談に乗れるように
人は生まれてから消費しつづけており、すべての人にとって問題となり得ます。
「届いた商品が思ったものと異なっていた」「初回だけ無料という誘いに契約してしまった」「よく読むと契約の解除ができなかった」など様々なトラブルが発生しているそう。
特にコロナの感染が拡大した際にはネットで買い物をする人が増えたことで、オンラインショッピングの相談が多くあったそうです。
こういった相談にすぐに対応することができるよう、佐賀県では「消費生活相談員の会さが」の国家資格を持った相談員が全県で相談を担っています。
相談員に欠員が出た時には迅速に他の相談員が対応したり、それぞれで受けた相談ケースを共有したりすることで柔軟に相談に対応することができます。
「法律の改正等もあり、時代に合わせた消費に関する知識を得るために相談員も研修を受けて日々研鑽に努めています。」と三上さんは話します。
コロナ禍では、佐賀未来創造基金の助成を活用してオンライン機器を揃え、遠隔でも参加できるようにしたようです。
◇トラブルの対応だけでなく、起こらないようにできること
トラブルがあった後の相談に対応するだけではなく、事前に予防する観点でも活動をしています。
具体的にはどのようなことをしているのでしょうか。
「消費生活に関する知識を得てもらうためにしていることの1つとして出前講座があります。
高齢者や民生委員さん学生・生徒さんが関心を寄せてくださっています。」と何川さんは話します。
また一昨年は「だまされんばい!!2022カレンダー」を作成しました。
実際にある相談ケースをかわいいイラストで毎月掲載しています。
手の届くところに置くことができ目にも入りやすいため好評だったといいます。「今年もないのですか?と聞かれるほど嬉しい意見が多かったです。」と笑顔で話す三上さん。
消費すること自体が身近になってきているため、消費に関する知識そのものも、より生活に根付くように取り組んでいきたいといいます。
◇相談者にしっかり寄り添うことができる相談員を目指したい
今年は団体が立ち上がって20年になるのだとか。現状をどのように捉え、これからをどう描いているのでしょうか。
社会全体の課題でもありますが、対応する相談員や消費者問題にかかわる方の高齢化が目立つ現状についてこのように何川さんはいいます。
「熱い思いを持って消費者に対応をする相談員自体が高齢化しており、若い相談員をもっと増やしたいと感じています。
国家資格資格の“消費生活相談員資格試験”が年1回行われます。その資格取得を支援するために講座を開講しています。ぜひ若い方にも参加していただきたいです。」
また、若い人に「消費」というテーマへの関心を持ってもらう取り組みとして、大学生対象のセミナーを行ったり、”SDGs”の一環として、エシカルな消費について学べる映画イベントを実施しています。
“消費者の行動が社会を変えることができる”ということを伝えていきたいと三上さんも話されました。
お二人の話す背景には常に、トラブルを抱えた相談者の気持ちに寄り添い、解決のために尽力したいという、あたたかい気持ちがありました。
インタビューを終えて、知識を得るだけではなく、私たちが責任のある「行動」をしたいと感じました。
また、何があっても頼れる相談者の皆さんがいることが心強く、今後の活動を応援していきたいですね。