理事長挨拶

深刻化する地域社会と地域活動の「いま」

少子高齢化・生産人口の減少や経済状況の悪化・税収の減少、震災復興をはじめ、環境問題や経済、子育てなど社会課題は増加・多様化し続けています。阪神淡路大震災からはじまった「ボランティア元年」、私たちの全国の仲間をはじめ、私たち自身も試行錯誤しながら、地域に必要なサービスを届けてきましたが、もはや行政やＣＳＯだけでは解決できない現状をこの業界で仕事をするものとして身をもって危機感を感じています。

私たちが辿りついたひとつの「こたえ」

そのようななか、市民活動の世界だけではなく大学生や企業人など様々な分野の若者が集まり、佐賀のことについて本音で語り、意見交換を繰り返しながら「自分たちが好きな佐賀の未来を地域とつながりながら何か行動を起こしたい！」という気持ちが確認できました。

もう一方、市民活動で長年活躍されている先輩の方々は、このままでは住みよい佐賀県を子どもたちに残せないのではないかという危機感と佐賀の未来を何とかしたいという想いで、行政とも協議を重ねて動き出していました。

そして、両者が一つになり、世代を超えて仲間が集い、たくさんの先駆者・有識者のアドバイスを頂き、その動きに佐賀県も応えてくれてマッチングギフト方式が生まれ、佐賀県史上はじめての市民創発の「佐賀未来創造基金」が産声をあげました。

「市民がつくる市民のための財団」というと言葉はキレイですが、一口5,000円の寄付の大切さと重さ、そして、人のつながりや温かさを再確認するなど、自分自身の人生にとってもかけがえのない貴重な経験をさせていただいているんだなぁと心底感じております。

皆様と顔の見える末長い関係ができればと思っております。事務所も構え、スタッフたちも皆様の善意にこたえるべく日々活動しております。お近くにお寄りの際はぜひお気軽に遊びにいらしてください。皆様のご参画・ご支援・ご紹介などのご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。

人とお金が意思をもって躍動する「しくみ」

佐賀未来創造基金は、単にお金を集めて配るだけの存在にはならないようにしたいと考えています。『地域間借物競争』社会のなかにある意志ある地域資源（人・モノ・金・情報）を市民活動等の必要な人と繋げるためのシンプルな「仕組み」。地域課題やその解決方法を広く社会に発信して知ってもらい地域と人をつなげるための「窓口」。そして、佐賀で夢を語り、未来を創るための仲間（つながり）づくりをするための「プラットホーム」。佐賀に生まれて佐賀で育ててもらい、佐賀を好きになるための「キッカケ」をこの仕組みが担っていければと心から願っております。

小さなほっとけない社会課題に対して、関わる人たちを増やし、ＣＳＯだけではなく地域の総力戦で佐賀県に向き合う。その結果、佐賀県で夢が語れ、佐賀県を好きになる人が溢れるような地域を子供たちに残していく。そんな地域社会を描いています。

私たちの活動が地域社会の仕組みになりインフラとして文化として根付いた時にはじめて、豊かで幸せを実感できる佐賀県になっているのではないのでしょうか？

ご縁が創る資源循環型社会と私たちの描く「みらい」

財団の存在意義は皆様の想いや動きがあって初めて意味をなします。つまり、財団は舞台であなたが主役なのです！そして、佐賀未来創造基金はあなた自身です！財団は県民皆様の善意の心のカタチであり、社会資源を地域循環させて佐賀の未来と地域を支えるための仕組みです。

財団の関係者だけでは決して地域や未来は変わりません。『「協働」から「総働」へ！』行政も企業も市民も垣根なく総力戦で一緒にできることを少しずつ取り組む時に、はじめて地域社会が少しだけ良くなる。その繰り返しと広がりが子どもたちに、そして家族に残したい未来につながると信じています。

その夢とこのご縁を皆様と大切に育み、喜びや悲しみを共に分かち合い一緒にカタチにしていけたらと願っています。