【第5回GOgoさがスポ基金-2022】
「佐賀ジュニアスキーチーム」は全日本スキー連盟・佐賀県スキー連盟に所属して活動している競技スキーのクラブです。連盟主催の大会にチャレンジしています。今回は自身のお子さんもスキーチームに所属をしており、大会係を務められている西村諭美子さん(以下、西村さん)に活動内容や課題、チームの皆さんの目指していることについて伺いました。
◇佐賀県のこどもたちもスキーができる環境
佐賀県で「スキー」と聞くと、以前は天山のスキー場があったことで馴染みのある方もいるかもしれませんが、現在では多くの方がやったことのない、珍しいスポーツに感じるのではないでしょうか。しかし、佐賀県には来年50周年を迎える「佐賀県スキー連盟」という組織があり、所属する皆さんがスキーの練習をサポートしている体制があります。そのため、小学生は九州や西日本の小学生大会に、中学生や高校生は、県内の予選会を通過すれば、日本中学体育連盟の全国大会や高校総体(インターハイ)に出場することも可能です。
4月から11月のシーズンオフは、県内で体力トレーニングに取り組んだり、福岡や長野の人工芝スキー場で練習を行い、シーズンには北海道のニセコにあるスキー場で合宿をしています。
「年間を通じたスケジュールが立てられていて、スキーの競技経験もある連盟の皆さんが練習を教えてくださっています。」と他県に比べて、バックアップが手厚いことを西村さんは伝えます。
◇想像以上にかかる費用の課題
所属しているこどもたちは小学生から高校生まで。特に年齢で分けることなく、一斉に練習をしています。段々と高学年になるにつれて、忙しくなっても、部活や他の習い事、学業との両立をしながら取り組んでいるこどもが多いそう。「頑張り屋であるのも、そうなのですが、スキーそのものが好きだという気持ちが強いのだと思います。
ゲレンデに着いた時の皆んなの表情が本当に嬉そうで。」とこどもたちの様子を西村さんは教えてくれました。中には、受験前日でも参加する子もいたんだとか。趣味で大人になるまで続けていきたいと感じていたり、進学する大学先に敢えて雪国を選んだり。どんなに寒くてキツい環境だったとしても、こどもたちにとって、負けないスキーの魅力があるのでしょう。
しかし、スキーの道具を一式揃える資金や、合宿代、ゲレンデで練習するのにかかる費用など想像以上にかかり、送迎なども含めると保護者の理解や協力は必須と言えます。
そこで、昨年は初めて助成金を活用し、ゲレンデの年間パスポートを一律で補助することに使いました。「スキーの場合、道具のサイズが人によって異なるため、全員の負担を少しでも軽くしたいという気持ちが強く、用途を工夫することによって挑戦してみました。保護者の方から感謝されましたね。」と嬉そうに話す西村さん。
今後も助成金の活用を検討していきたいと話をしていました。
◇スキーを好きでい続けられるために
こどもたちにスキーの魅力を与えるきっかけとなっている、佐賀ジュニアチーム。そんなチームの課題は、お金がかかることに加えて、会員数が減っていることだといいます。
「佐賀県のスポーツチャレンジ事業でスキー体験を天山でやっていた時には、その機会に入るこどももいましたが、今は大分県での体験教室を開催しているため、参加数も減っていて。」やはり、続けていくための費用も重なり入ることへのハードルの高さが課題のよう。
県内の練習環境も限られている中で、スキーへの熱い思いを募らせているこどもたちの姿を想像すると、その思いを持ち続けて欲しいなと願います。皆さんも一緒に応援しませんか。