【採択助成事業】

「佐賀型CSO持続支援金」-2020年度-第2期

「佐賀災害基金」-2021年度-第1期


「特定非営利活動法人 菜菜」は障がいのある方に農業や農業に関わる生産活動の場を提供し生活訓練を行うことで、社会参加や自立、就労を促す就労継続支援B型事業所*を武雄市北方地区で運営をしています。

今回は、2度の水害を経験したにもかかわらず、迅速に利用者が通所できる状態を目指した職員の1人であるサービス管理責任者の津山 葉子さん(以下、津山さん)に話を聞きました。

*一般企業への就職が困難な障がい者に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障がい福祉サービスを供与することを目的としている。

◇土に親しむ作業を通じて自分らしく生活できるように

特定非営利活動法人 菜菜は「野菜いきいき・人いきいき」をモットーに障がいのある方が自立を目指して楽しく働くことができ、社会の中で大切な役割を担っていけるよう、野菜作りを通じて障がいのある方に仕事の場を提供し、近くの直売所やスーパーで農産物を販売しています。

設立当時は、障がいのある方が作業する場所は内職が多い環境にありました。

そこで、農園を運営している理事が、お日様の下で体を動かすことで食や睡眠など生活サイクルが安定し充実した毎日が送れるのではないかと考え、土に親しむ作業を通して障がいのある方の社会参加の手伝いがしたいという思いからこの活動が始まったといいます。「自分の作った野菜がスーパーに出ていることで、家族にみてもらえるきっかけになり、本人たちも嬉しそうです。」と津山さんは話します。

また、利用者の多くが北方町内であることで、より、地域での助け合いの精神や文化を醸成する機会づくりも目指しています。

◇資金の支援で利用者さんの”日常”に早く戻ることができた

令和3年8月に2回目の水害を経験した武雄市。1回目の水害時以上に水位は高く、水がはけるまでに1日以上かかりました。被災直後は、道具が浸かり使えなくなったため農作業に出かけることができなくなったことから、利用者の中には不安やストレスを感じる方も少なくありません。

そこで、収穫をしている畑が浸からなかったことから道具さえあれば復帰できることに着目した津山さん。

「佐賀災害基金の支援を受けて、いつも使用している道具をまとめて購入して直ぐに利用者の皆さんが来られる環境を用意することができました。

丁度お盆の頃だったので、地域の方から頼まれたお仕事もあって。”お野菜も育っているし、働ける場所もありますけど、どうしますか”と利用者の皆さんに選んでもらえることができました。」と嬉しそうに当時のことを振り返って話をしてくださいました。

◇助けてもらうことが多いからこそ地域で「ありがとう」から始まる関係性を

事業所には身体や知的など障がいの種類やその程度は様々で、中途障がい*の方も利用をされています。それぞれが生活をする中で、できないことも多いですが作業の工程では各々が ”できる” ことに着目をして活動をしているといいます。

「例えば、身体障がいの方は重い荷物は持てないけど軽量をすることができますよね。一方で知的障がいの方は軽量することはできないですが、指示を聞いて重い荷物を持つことができる。

お互いで作業を分担しながら進めているんです。」と津山さんは説明します。

*人生の途中で、事故や病気などで障害をもった 方のことを指す。

このような助け合いは地域でも起きていることだといいます。

「先日、怪我をしてしまった農家さんが代わりに農作業をお願いできないかと相談して下さったんです。私たちも近所の農家さんには、どの品種が負担なく育てやすいか等、畑仕事の相談をしたり、道具を借りたりと助けてもらっています。お互いが顔の見える関係性として助け合えていることが嬉しかったです。」

と続けて伝えてくれました。

あの時のあの人だよね、と困りごとがあった時に ”お互いさま” の関係性を作れるためには、菜菜の活動を通して地域の方と顔見知りになることが必要です。

「いつも助けてもらっていることが多いからこそお互いに ”ありがとう” が言える、暮らしの会話のはじまりになれるといいなと思っています。」と最後に言葉を紡ぐ津山さん。

そんな優しい地域になれるよう、これからも菜菜の活動に着目していきたいです。

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