佐賀市内に住む双子・三つ子の親子対象の育児サークルとして始まった「双子・三つ子サークルグリンピース」。今では、佐賀県内の双子・三つ子を持つ保護者(=以下、多胎家族)を支援する団体「さが多胎ネット」へと活動規模を広げています。

ご自身が双子の親である経験から、約20年に渡り活動を続けてこられた代表の中村由美子さん(以下、中村さん)に今の活動に至るまでのお話を伺いました。

◇双子・三つ子サークル グリンピース としての活動

グリンピースは多胎家族がおしゃべりをしたり、季節の行事を楽しんだりする多胎児育児サークル活動です。2001年より佐賀市からの呼びかけを受けて、月1回で集う場づくりがスタートしました。

「多胎家族は、妊娠期からさまざまなリスクがあり、出産後は赤ちゃんが2人、3人の育児の負担などから不安やストレスを感じやすく、外出も困難なので孤立しやすくなるんです。」と中村さんは言います。

だからこそ、親同士が互いの育児体験や不安を話し、共感しあうことによって、多胎児ならではの子育ての工夫の仕方を学び合い、子育てを前向きな気持ちで取り組めるための「双子・三つ子ママの元気が出る子育て講座」も開催されました。

そんな中、多胎研究の第一人者である大木秀一教授(石川県立看護大学)の研究協力メンバーになったことがきっかけで、全国でも先駆的な多胎支援の活動者と出会うことになった中村さん。

「こんなすごい人たちが集まるところに来てしまったことの後悔の気持ち、一方では、佐賀はまだまだだ! どがんかせんばいかん!!という気持ちになりました。そして、佐賀で何ができるのか…まずはやってみよう!と考えることにしました。」その時の心境を思い出しながら話します。

◇佐賀県の多胎家族を支援する「さが多胎ネット」の発足

他県の先駆的な活動者と交流をしたことで、行政・医療・福祉・地域支援者等と多胎児育児経験者が連携し、妊娠・出産・育児の切れ目のない支援を目指したいという思いに変わっていきました。

これまではサークル会員メンバーに向けた活動でしたが、多胎支援活動の意識が高まったことで多胎家族全員に向けた活動へと変わったことから、多胎家族のことを知り、理解してもらう活動として「多胎ファミリー応援フェスタ」や「多胎支援を考える講演会」などの開催を通して周知を広げました。

このような約3年の準備期間を経た後、佐賀市内で活動をしていた双子・三つ子サークル グリンピースとは別に多胎支援団体の「さが多胎ネット」を設立することになりました。

◇多胎支援を切れ目なく届けるために。これからの課題とは

令和2年度から佐賀県が「多胎家庭等サポート事業」をスタートすることになり、さが多胎ネットがピアサポートを担うことになりました。

「佐賀県の理解と協力が本当にありがたいです。佐賀県のどこで多胎児が生まれたとしても、相談できる人が身近にいると感じられる佐賀県になってほしい」と中村さんは意気込みます。佐賀県では年間で多胎家族は約60組ほど生まれていますが、相談に乗ることができる※ピアサポーターはまだまだ僅か。

これからの10年を見据えて、各エリアにおけるピアサポーターの養成・育成を目指していきます。

※ピア=仲間の意味。ピアサポーターは仲間同士のサポート、支え合いです。

各家庭の中のみで子どもたちを育てるのではなく、周りの理解と支えあっての子育てにしていきたいですね。

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「こどもの居場所」で新型コロナと社会的孤立を防ぐ基金

「どんな境遇の子どもたちも見捨てない!」という誓いのもと、佐賀県発の子ども救済システム実現を目指します
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佐賀の課題解決に向けたご支援をお願いします。

佐賀未来創造基金は、皆様からのご寄付(志金)をお預かりし、地域で様々な課題解決に取り組むCSOに活動費の助成・伴走支援を行うことで、地域の人たちがともに支え合う社会の実現に向けた取り組みを進めています。

明日の子どもたちに胸を張って残せる「佐賀の未来」を一緒に創っていただけませんか?

※ ふるさと納税(返礼品)について、総務省からの通知により、佐賀県内にお住まいの方からのご寄付に対し、返礼品等をお届けすることはできません。予めご了承ください。