子ども食堂を官民で支援 県のふるさと納税を活用 家賃、設備費など最大20万円補助 [佐賀県]

2018年05月10日付 西日本新聞朝刊
こどもたちのために居場所を
「子ども食堂」など子どもの居場所づくりを後押しする官民の支援事業が6月にも始まる。県へのふるさと納税を財源に民間団体が設けた基金から、子ども食堂を運営、開設する団体などに年間10万円を支給。県も机や本棚などの設備費を県の一般会計から最大10万円補助する。民間団体は「官民共同の取り組みは九州でも珍しい」とし、約50団体への支援を目指す。
 民間団体は公益財団法人「佐賀未来創造基金」(佐賀市)。県内に14カ所ある子ども食堂のほか、新たに食堂や学習支援の場を開設しようとする団体に対し、家賃や人件費など年間10万円を支給するという。
 県にはふるさと納税の寄付金を民間団体に交付し、活動を支援する「先駆的な制度」(東京の市民社会創造ファンド)があり、佐賀未来創造基金は県から受け取った寄付金を財源に充てる。
 県はインターネット上でふるさと納税を呼び掛けているが、交付先となる民間団体が活動の内容や計画をPRし、返礼品も用意。県はそうして集まった寄付金の95%を団体に交付してきた。
 佐賀未来創造基金によると、昨年11月~今年3月末までに寄付者は400人を超え、約1480万円が集まった。6割がコメや肉、文房具といった返礼品を「子ども食堂に送ってほしい」、2割が「不要」と回答しており、返礼品代などを除く約1千万円で新たな基金を設け、支援に充てるという。
 同基金の山田健一郎理事長は「子どもの居場所はまだ足りない。これからも居場所づくりや貧困の連鎖を断ち切る仕組みづくりに挑戦したい」と意気込む。
 一方、県は、新規開設や規模を拡大する子ども食堂などに設備費などとして10万円を上限に補助する。18年度当初予算に関連経費1750万円を盛り込んでいる。