佐賀市の中心部、赤松校区。佐賀城公園とその隣接するエリアで活躍中の赤松まちづくり協議会を訪れました。ご対応いただいたのは事務局長の福田さんです。

「思いやる心でつなぐ ふれあいのまち赤松」

そうキャッチフレーズを掲げ、地域づくりを実践している赤松まちづくり協議会。子どもや弱者を思い、災害、高齢化と向き合う活動がスタートしたのは2017年。

「地域の力を合わせ、行政とスクラムを組んでやっていく」という福田さんのとおり、自治会や社協・体協、小中高の学校・PTAに消防団と、あらゆる組織が連携して事業に取り組んでいます。主に5つの部会に分かれ、協議会のメンバーは総勢80名を超えるそうです。

定期的に防災フォーラムを開催する部会『あんしん』では、地域のハザードマップを制作。佐賀市作成のデータに佐賀豪雨災害(2019年)で発生した状況を加えた内容は、まさに地域のための防災対策と言えるでしょう。

周辺道路が雨で冠水してしまった当時、協議会では一人暮らしをしている高齢者150世帯に一軒ずつ電話をかけてまわりました。そして、動けずに自宅にいた2名の方を避難所へ送り届けたそうです。突如訪れた災害を乗り越えたあとは、実態を反映させたハザードマップをつくり防災に努める。この、環境変化に対応する柔軟な機動力が、地域の安心を支えています。

他にも、親子で参加できる教室やイベントを行う『親子ふれあい』、高齢者を元気にする『げんき』といった部会が、各リーダー牽引のもとで活動しています。部会の中でも最大の『まなび』が作成したガイドマップ”佐賀城周辺まち歩き”は、赤松校区の歴史・文化遺産を巡る充実した内容で、佐賀を訪れた歴史ファンや散策が好きな方にぜひ手にしてほしい一冊です。

福田さんの『つながり』部会は、広報”赤松だいすき”を年に3回発行。新聞社で38年勤めたという福田さんのスキルと情熱がぎっしり詰められた紙面になっています。明瞭な見出し、巧みな文章、読みやすいレイアウト。ホームページに掲載している本部役員・部会の紹介記事も絶妙でした。その昔、「このまま佐賀で終わるか!」と血気盛んに視線を外に向けていたという福田さん。「年を取って、全国をまわって思いましたよ。佐賀いいやん!って(笑)」と話す笑顔は、地域への愛情を隠せません。

2020年、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、赤松校区の秋祭りにして赤松まちづくり協議会最大の行事『鯱の門まつり』は開催中止の危機に見舞われました。しかし、年に一度、地域の方が楽しみにしているというお祭りです。何度も議論を重ねた協議会は、ドライブインシアターという代替案を企画。資金問題を克服し、地元企業の協力を得て実現したというイベントは、当日100台におよぶ車を集めて大好評だったそうです。車を持っていない方には協賛企業が用意してくれた中型バスで対応するなど、誰もが楽しめる25回目の鯱の門まつりとなりました。

設立から3年。改めて福田さんに活動や地域の変化について尋ねると「毎年、変化を感じています。今年はコロナでした」という迷いのないお返事に、苦労が滲みます。それでも「会って話せない、じゃあどうするか。パソコンやSNSを使えば活動できる。協議会では80歳の自治会長がLINEで40人以上のグループつくって会議してますよ」と快活に教えてくれました。

協議会ではFacebookページも運営していますが、そこでも十数人が編集にチャレンジしているのだとか。うまく情報発信したりITツールを使ったりすることに、外からは「うちにはフクさんがいないから・・・」と羨む声も聞くと言いますが、協議会の皆さん一人一人もまた努力されているのです。

「融通無碍(ゆうずうむげ)にやり続けること、できなきゃ新しい方法でやる」

メンバーの拡大やNPO化も視野に入れている赤松まちづくり協議会。一般に、組織が大きくなってたくさんの方が関わると、共有や統率といった運営が難しくなるイメージですが、福田さんを見ているとそんなことはなさそうです。整理された事業、意欲的な仲間。そして何よりも、世の中の情勢に順応し、変わっていくことを受け入れている・・・一体全体、なんという人生の先輩たちなのでしょう。

協議会の活動におけるキーワード「子ども・高齢化・防災」は、本来なら行政が扱うテーマ。大きな単位で物事を進める行政と、福田さんたちのようにコンパクトに舵取りを行う団体が相互に作用することで、私たちの暮らすまちは一層輝きを放つはず。

現在、赤松まちづくり協議会では動画を撮影するカメラやネット環境など、機材が不足しています。ふるさと納税も可能ですので、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。