認定NPO法人 日本レスキュー協会は、災害救助犬(レスキュードッグ)やセラピードッグを育成・派遣するとともに、不幸な犬や猫を救う動物福祉に尽力されています。本部(兵庫県伊丹市)と連携して業務にあたっている佐賀支部・原田さんにお話を伺いました。

「犬とともに社会に貢献する」

日本レスキュー協会の設立は1995年に遡ります。この年の1月17日に発生した阪神淡路大震災で、海外から多くの災害救助犬が日本へ派遣されてきました。当時の日本における災害救助犬の認知度は低く、到着した犬たちは検疫のために空港で足止めを余儀なくされたそうです。この経験を教訓にして、同年9月1日(防災の日)、日本レスキュー協会が誕生することになりました。「認知を広めるとともに、日本国内からも災害救助犬を育成する必要がありました」と原田さん。

設立以降、国内外へ災害救助犬を派遣してきた日本レスキュー協会。佐賀県に支部ができたのは2018年のことです。災害時、本部を置く兵庫県から遠く離れた地域で活動する際は、長距離の移動がスタッフと犬たちの両方に負担となっていました。原田さんによると「九州のどこかに支部を」という段階で、佐賀県の実施しているCSO誘致施策が奏功した模様。とくに、応援したいCSOを指定して寄附ができるふるさと納税(一番下のリンク参照)の存在は大きかったようです。

約二年後の2020年10月、佐賀県大町町と進出協定を締結し、ついに拠点施設の設置が決まりました。完成後は災害救助犬やセラピードッグの育成が行われ、一般の方が利用できるドッグランなども設置されるそう。有事の際は災害対応の拠点なり、ペット同行の避難所としての使用も想定されています。近年、甚大化する災害に見舞われる九州全域にとって、頼もしい存在になるに違いありません。しかし「拠点設置のための費用が足りていません」と原田さんがメッセージボードに書いてくださったように、資金面での継続的な支援が必要になっています。

日本レスキュー協会では、ペットのマナーやしつけについても重要視し、情報発信に努めています。

「日頃からしつけに取り組んでいると、災害が起きたときに役立ちます」と原田さん。避難所のような非日常で大勢が集まる場所は、人間でも精神的な負荷の大きなもので、敏感な動物たちには一層のケアが求められる状況と言えます。そういった環境の変化を受け入れる犬たちのキャパシティが、しつけやトレーニングの有無で異なってくるのでしょう。有事のイメージはなかなか掴みにくいかもしれませんが、大切な家族であるペットとともに災害を乗り越えるには、日常的に意識した行動を心がけたいものです。

年間約150件の施設訪問をこなすというセラピードッグ。訓練を受けた犬たちが、高齢者や障害を持つ方の施設、学校などで交流する事業です。

犬とふれあうことは、心身ともにリラックスし、抱えている病気の治療・改善に影響します。活動実績を拝見すると、東日本大震災や熊本地震など被災地への慰問も多数。被災して家族を亡くしたり、ペットと離れ離れになったりしたら、どんなに心が痛み、怯え、苦しいか知れません。

同じ人間にできることもあれば、人間じゃない犬たちだからできることもあるはずです。日本レスキュー協会では、保護した犬を適性検査のうえ、災害救助犬やセラピードッグへ育てています。人間と犬が互いに必要としあえる暮らし。冒頭の「犬とともに社会に貢献する」がまさに実現されていると言えるのではないでしょうか。

佐賀支部の設立から約2年。原田さんは「佐賀県は横のつながりが強く、活動も認知されてきました」と話します。災害救助への貢献だけでなく、人間と動物を取り巻く社会課題を結び、動物福祉を実践する日本レスキュー協会。2021年、大町町に拠点施設が完成したら、勇敢で優しい犬たちが、佐賀から九州各地へと派遣されることでしょう。

ご支援をよろしくお願いいたします。